遺族を「遺賊」と表現した、その意味と日本医療安全学会の対応

遺賊が求めているのは…」

今年3月に行われた
日本医療安全学会の
「学術集会の講演」。

そこで、講演者が使った
遺賊」という文字
問題視されている。

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「賊」は犯罪者を思わせる表現だ!

この講演は、HPで見ると3月に東京大学で行われた「第3回日本医療安全学会学術総会」のことだろう。
テーマは「完璧な安全を目指して — 医療安全を質と量から向上する」だ。

この会の講演で男性(学会の代議員)は
「遺賊が求めているのは金と、医師・看護師への処罰であって、原因究明や再発防止は関係ない」
と言ったらしい。

多分聞いていた参加者は医療事故の「遺族」と言っているのだと思ったに違いない。
だがスライドも「遺賊」と表現されていたのだ。

当然「意識的な文字」と取られただろう。
講演の場にいた人の話によれば、医療事故の遺族を面白おかしく表現した言葉とも思われ、会場は、笑いに包まれたという。

これに対し、複数の参加者から発言内容を問題視する声があがった。
「賊」は犯罪者を思わせる表現だとして、日本医療安全学会は対応を求められていた。

「遺族」を「遺賊」と表現した理由

この言葉を使った本人は、取材に応じている。
「いわゆるモンスターペイシェント(理不尽な要求を繰り返す患者)を指したもので、現実にそういう人はいる。不適切な発言とは思っていない」

と、撤回の意志もないようだ。

モンスターペイシェントという言葉を調べてみると、確かに医者や看護師にしかわからないひどい実態もあるようだ。
そして、その目的は「金と、医師・看護師への処罰」なのだと、言ったのだろう。

「賊」の意味と聞く側の感情。

賊という言葉の意味を調べてみた。

1.他人の財物をぬすみとる。ぬすみ。また、ぬす人。わる者。
2.人を武器できずつける。そこなう。やぶる。 

とあった。

彼の言葉を深読みするならば、
「医療事故で遺族となった人達が理不尽な要求を繰り返す」様を、賊のようだと言いたかったのではないだろうか。

ただ、客観的に「遺族」という言葉は、聞いただけで、同情する気持ちが真っ先に浮かぶ

「遺族」という言葉はある意味デリケートな言葉でもある。
そして、もちろん、モンスターではない遺族もいるはずだ。

だから、それを「賊」という言葉に置き換えた事に違和感や嫌悪感を感じてしまうのだ。

実際、
「…学術的な場で使われる表現として疑問に思う」
という声もあるようだ。
※ヨミドクターより抜粋

「モンスターペイシェントが求めているのは金と、医師・看護師への処罰であって、原因究明や再発防止は関係ない」と言えば、良かっただろうに…

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日本医療安全学会の対応

これを受けて日本医療安全学会は8月26日付で
「…この発言はごく一部の活動事例を極端に全体へ歪曲したものあり、社会へ貢献する民主的な良識の学術団体としては不適切であり、容認しない、との結論に至りました」とHPに掲載した。

不適切で容赦しない…
とは現実にどうするというのだろう?
たぶん、代議員はクビだな…

医者や看護師は、大変な仕事だと思う。
人の命を助けるという使命は、常人にはそう簡単に背負えるものでは無いと思う。

だから、なおのこと、医者は誤解を招くような言葉をできれば使ってほしくないし、患者も遺族もモラルは守らなければならないのだと、改めて思う。



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