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お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか? 「善きサマリア人の法」が医師と患者を救う!

社会

お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?

飛行機で急病人が発生した時にCAが搭乗客に呼び掛ける言葉。
ドクターコールというそうだ。

ドラマなどでは聞くセリフだが、実際に耳にした人はそんなにいないだろう。

ドクターコール、実際の確率は?

それもそのはず。
フライト中にお医者さんが必要に
なるような緊急事態が起こる確率は、
国内線で1/1000、国際線で5/1000
といわれている。

国内線で1000回飛行機に乗る人って・・・?

日本の医師に対して行われた
あるアンケート調査によると、
この緊急の場合のドクターコールに
「手を挙げる」と答えた医師は
40%前後にすぎなかった。

人の命を救うべき医師なのに、
一体どういうことなのか?

善意なのに損害賠償?

そこにはどうやら、
責任問題の壁があるようだ。

例えば全日空だと
「ANA Doctor on board」という
医師登録制度がある。

その中に、次のような一文がある。

「機内で実施頂いた医療行為に起因して
医療行為を受けられたお客様に対する
損害賠償責任が発生した場合、
故意または重過失の場合を除き、
弊社が主体となって
対応させて頂きます。」

一見すると問題ないような文面だが、
よく見ると
故意または重過失の場合を除く」
「弊社が主体となって」とある。

つまり、善意で行なった医療行為に対しても、
何かあった場合、
医師の責任になる場合もあるし、
損害賠償も全額航空会社が
持つ訳ではないということだ。

日本航空にもANAと同様の制度
「 JAL DOCTOR登録制度」
というものがある。

やはり、
「機内での医療援助に起因して、
医療行為を受けたお客さまに対し
民事上の損害賠償責任が生じた場合には
故意、重過失の場合を除き
当社が付保する損害賠償責任保険を
適用いたします。
援助者が個別に加入されている
損害賠償責任保険が適用されるときは、
その保険金額を超える部分に
当社の保険を適用
いたします。」
とある。

内容はANA・JALほとんど同じだ。

報酬があるわけでもなく、
善意で行なった医療行為。

しかも、故意ではないにしろ
重過失の場合、
最悪損害賠償も請求される可能性がある。

「そんな割の合わない事、
誰が好き好んでやるか」という気持ちも
分からないではない。

善きサマリア人の法

あまり聞き慣れない言葉だが、
”よきサマリアびとのほう”と読む。

「災難に遭ったり急病になったりした人
などを救うために無償で善意の行動を
とった場合、良識的かつ誠実にその人が
できることをしたのなら、
たとえ失敗してもその結果につき
責任を問われない」
という趣旨の法。
(ウイキペディアより)

アメリカやカナダではこの法が
施行されているのだが、
日本では明確に立法化されていないのだ。

ある医師は言う
「医師は患者を助けたい・なんとかしたい
と思っている。
何故なら、
その為に医師になったのだから。」

なのに、
それが出来ないもどかしさを
感じている医師も沢山いるのだろう。

善きサマリア人の法の制定により、
少なくとも、
医師・看護師・救急救命士等の
専門家も本法の対象となり、
傷病者に依頼されて手当てした
場合であっても免責され、
過失がないことの証明責任を
問われなくて済むようになる。

医師が医師になった意味を
再確認できるよう、
日本でも
「善きサマリア人の法」の
早急な法整備が望まれる。