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はれのひ社長の申し立て代理人が言った最後の言葉「レンタル契約者は泣き寝入り!」とは?

社会

成人式の日に着物が着れない新成人を出した着物業者「はれのひ」…社長は、前日から連絡も取れず、一切姿を現してはいなかった…その社長が今日、公の場(記者会見場)にやっと姿を現した。

長い会見だった。2時間近い時間、記者たちが次々と質問をする。社長の声が小さいのか、カメラのシャッター音が大きすぎるのか、かなり聞き取りずらい記者会見だった…。

最後に「…レンタルの方は…泣き寝入りという事になるかもしれません」という申し立て代理人が言葉が印象に残った。これは、ある意味、今回の被害者への非常な言葉でもある。(もちろん申し立て代理人は、悪くはないが、わかりやすすぎた…)

ライブを見た。
記者会見場の長テーブルには、向って右には申し立て代理人(弁護士)、中央に篠崎社長、左は…弁護士の3人が座っていた。

「はれのひ」篠崎洋一郎社長からの説明

最初に社長が、経緯を簡単に説明し、お詫びをした。

・急激な出店などで、人件費やコストが拡大し、平成28年9月には大幅な赤字となった。
・新たな融資やスケジュールのお願い、M&Aに向けての取り組みなどを行ってきたが、売上の減少に歯止めがかからず成人式費用の目途が立たず、この様な事態になった。
・一生に一度の成人式を台無しにし、取り返しのつかない事態になった事は私にすべて社長の私に責任がある。本当に申し訳ない。

「全て自分の責任」と、カッコよさげに聞こえるが、実際、社長以外の誰かが悪いとは、誰も思っていないし、言ってない。彼に「責任」という言葉を使う資格はない。

なぜだろう?謝っているはずなのに謝っている感じがしないのは…。

一応、気になった質問と答えをピックアップしてみた。

何故、雲隠れをしたのか

・対応に苦慮していた。
・事の重大さはわかっていたが、どのように対応していいのかわからず、毎日とても寝られるような状態ではなく過ごしていた。
・成人式を迎えられなかったお嬢様ご家族の事を思うと心が痛む。
・横浜の知人のところにいた(外国には行ってない)。
隠れるつもりはなかったが、そのように見えたことで世間を騒がせたことを非常に申し訳なく思っている

「隠れるつもりはなかった」「そのよう見えたことで…」と、隠れていない、と言いたいようだが、隠れていなかったら、当日でも、2,3日後でも出てくることはできたんじゃないだろうか?

経営が立ちいかなくなると意識し始めたのはいつ?

・仕入れ先の支払いが通常通りいかなくなり、商品が止まった
GW前くらい前から非常に危機感を感じていた

危機感を感じていたのに注文を取り続けていたのは場合によっては詐欺にあたりませんか?

・そういうつもりは毛頭ございません。

今、考えて詐欺の可能性は?
必死で社員も私も営業をかけていたのでそういうつもりは毛頭ございません。
ま、今振りかえればそこで止めておけばよかった。

何故、客に連絡しなかったのか?

・本当にギリギリまで可能性を、業者も含め探っておりました
・そのなかで何とかお願いしていけばなんとかなるのではと思っていた。
お客様への連絡はぎりぎりまでできなくなってしまった
・最終的にはお知らせせずに、あのような事態になった。
・「逃げた」ということ、そういわれても仕方がない。

この点は、誰もが一番知りたいところだ。が、いまいち答えにはなっていない気がした。

一生懸命やった、と言いたいのだろうが、一生懸命やっていたのなら、客に連絡するのが先と考えるのが普通。出来ない、と分った時点で、逃げた…それだけのことだろう。

逃げたと言われても仕方がない?
いやいやここは「客に、怒られるのが嫌で、逃げてしまいました」だろう…と思った。

着物の在庫

理由の次に気になるのが「着物を預かった、買った人」の着物についてだが…
現、仮縫いしているもの含めて1200着が保管されている、そうだ。

事前に預けている、持ち込んだ着物は、必ず返すのか?という質問には「はい、そのようにいたします。」と言っていたが…1200着の数字は、預かった着物の数も入っているのだろうか?

負債63500万円総額10億。

通常、それが(着物1200着)が、社長の財産と認められれば、個人以外にも業者への不払いがある時、そっちの方に行く可能性ないわけではない、はずだ。(例えば、差し押さえ⇒売却⇒不払い業者に返済)

人情的には「返してあげたい」とは思っていても他業者だって生活が懸かっているわけだし…。

「レンタルの人は泣き寝入り」とはどういうことか

最後の最後に「泣き寝入りなのか?」という女性の声の質問者がいた。申し立て代理人がそれに答えていたのだが、よくは聞こえなかった。

要は「預かっていた着物、お買い上げいただいた着物それらは特定できればできる限り返す。但しヘアメイク等の部分は、出来なかったので、その部分については泣き寝入りという事になるかもしれない」

そしてレンタルの方へは…

レンタルの方、(レンタル目的の着物は)法的には会社に所有権があるので、そのままお渡しする訳にはいかない、そうすると更に泣き寝入りということになるのかもしれません」と言っていた。

(当時、ニュースで、唯一店を開けた福岡店でレンタルした着物を返しに来た客に「持って帰ってください」と言われた人がいた気がする。その人は返さなきゃいけないのか?それとももう店の人があげたのだから返却義務はないのか?…ちょっと気になる)

この会社は成人式の「着物販売」と「レンタル」を行なっていた。「セット」として、何れも当日に行う「着物以外の料金」=「髪のセット+化粧+着付け(+写真)」のいずれかを含むも代金も含んで、お金を先払いしてもらっていた、と聞く。(他店も同様のパターンが多い)

着物は返す、としても「着物以外の料金」は、当日発生するものなので、これの保証はできない、のはあきらかだ。

だから「レンタル」で(「レンタル着物」は、たぶん差し押さえ)前払いしていた人は「泣き寝入り」だと申し立て代理人が言った言葉は正しいだろう。