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ギャンブル依存症者の競馬のネット投票を家族が停止させることができる!

社会

JRA(日本中央競馬会)は、「ギャンブル依存症の家族の申告」でインターネットでの馬券の販売を停止する措置を28日から開始するらしい。

有馬記念が終わった次の日に、こういうニュースが流れる、というのもなんかなぁ、と思うが…。

政府のHPに行ってみると「家族申告によるアクセス制限の実施について」というPDFが12月25日付で出ていた。報告書がいろいろ出ているが、その中の「農林水産省」の所にJRAのものがあった。

「家族申請によるネット投票の利用停止について」

これはJRAが公表している「家族申請によるネット投票の利用停止について」。

最初に

・JRAは、今年10月から(ネット投票に関して)会員本人からの申請に基づき、その利用を停止する制度を開始してる

・今後は、会員家族に申請の範囲を広げ、その利用を停止する制度を開始することにした。

と書いてある。

以前から自己申告者には、適用していた、ということらしい。

対象者は

・医師からギャンブル障害の診断を受けている会員
・診断は受けていないが外形的にギャンブル障害の状況にあると認められるもの(生活維持に影響を及ぼしているなど)

申請ができる家族とは…同居している家族(6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族)だ。

具体的には

家族が(ギャンブル依存症の)診断書や客観的な判断材料となる情報をJRA提出

JRAが認定

インターネットでの馬券販売を停止

という流れだ。

いずれは、ボート、競輪の方にもこの流れが行くかもしれない。

ギャンブル依存症対策の一環

政府は、カジノを含むIR・統合型リゾート施設を整備するための法案の成立を目指しているが、ギャンブル依存症対策が懸念されていた。そこでギャンブル依存症対策を強化する一環として、事業者側(JRA)の協力を求めた結果「家族申請によるネット投票の利用停止」ということになったらしい。

そもそもIR・統合型リゾート施設のカジノが出来ることでギャンブル依存症者が増えることが懸念されているのであって、競馬やパチンコ依存症者問題は、以前からずーっと言われていたことだ。

今回の事で対策をちゃんと考えているよ、という印象を与えて、カジノ法案を成立させたいという考えが見えるような気がする。

個人的には問題のすり替えにしか思えないし、これが具体的な問題解決にはならない、と思うのだが…

例えばギャンブル依存症とはいえ、パチンコ依存症者が競馬の依存症になるとは限らない。同じように競馬の依存症者がカジノの依存症者になる、とも限らない、と思うのだ。※自分の経験からして…

たぶんカジノが出来れば、カジノ専用のギャンブル依存症者が出てくると思う。だから、この対策は競馬依存症者には少し効くかもしれないが、カジノ法案が抱えるギャンブル依存症者対策の「へのツッパリ」にもならないような気がする。

この対策で少しは良くなるのだろうか?

ネットで馬券を購入できるJRAの「即パット」などは、やり方次第で家族に知られず馬券を購入できるシステムだから、ギャンブル依存症者がこれを使っていることさえ知らない家族が多い、と思う。

⇒競馬をこっそりする方法 http://burami.net/keiba3/

それに、もし家族がネット購入を知っていたらJRAに申請するより、使っている銀行口座を凍結・解約させた方が早い。が、ネット購入できなくなった依存症者は、以前のようにまた隠れて競馬場に行くようになるだけの話だ。

ちなみに…他のギャンブル関係の「家族申告によるアクセス制限対策」は次の通りだ。

ギャンブル関係の「家族申告によるアクセス制限対策」

自己申告もあり、家族制限申告もあり、いずれは入場制限まで考えているようだ。よく見ると競馬の管轄は農林水産省とは知っていたが、それぞれ違っている…知らなかった。

〇農林水産省…競馬
① インターネット投票
中央競馬において12/28から開始予定であり、地方競馬においてもH30.4までに順次開始予定。
② 競馬場・場外馬券売場
本人申告によるアクセス制限措置の運用状況を踏まえ、H30.秋までの開始に向け検討。

〇経済産業省…競輪・オートレース
・インターネット投票については、各施行自治体が関係規則の改正を行い、来年4月から運用を開始予定
・ 競輪場、オートレース場及び場外車券売場においては、本人申告によるアクセス制限の運用状況等を踏まえつつ、来年秋頃からの運用開始に向けて体制を整備予定。

〇国土交通省…モーターボート競走
平成30年4月:インターネット投票の利用停止
平成30年秋頃:競走場・場外発売場の入場制限

〇警察庁…パチンコ 
12月から、遊技客本人の同意がある場合に、家族からの申告に基づいて入店制限
を実施する「家族申告プログラム」の運用を開始

※何れも政府のHP「第4回ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議幹事会(平成29年12月25日)」より抜粋・参照

ちなみに…パチンコの出玉を現行の3分の2程度とする規制強化は来年2月から始まる。

参考まで…

< 家族申請によるネット投票の利用停止の概要 >
1.対象となる会員
○ 医師からギャンブル障害の診断を受けている会員
○ 医師の診断は受けていないが、外形的にギャンブル障害の状況にあるお
それがあると認められるものとして、ネット投票での勝馬投票券の購入
金額が、家計の経済状況等に照らして、本人と家族の生活維持に重要な
影響を及ぼしている蓋然性が高いと判断される会員 等

2.申請できる家族
○ 会員本人と同居している親族(6親等内の血族・配偶者・3親等内の姻族)

3.申請手続き
○ 会員家族が申請書類(申請書・住民票・診断書等)をJRAに提出
○ 会員本人が上記1に該当するとJRAが判断した場合、ネット投票の利
用停止を実施
* ネット投票の契約当事者ではない会員家族からの申請に基づき、会員
本人の意思にかかわらず、ネット投票の利用停止を実施
* そのため、会員家族による申請に際しては、会員家族がJRAに対し
て客観的な判断材料となる情報(医師が会員家族に発行した会員本人に
関する診断書等)を提供(JRAに対する当該情報等の提供についての
会員本人の同意は不要)

4.その他
○ 契約当事者である会員本人の意思にかかわらず、ネット投票の利用停止
を実施するため、
【利用停止前】会員本人による「異議申立て」
【利用停止後】会員本人による「解除申請」
を可能とするが、いずれも「ギャンブル障害」の回復証明等の要件を設定

5.受付開始日
○ 平成29年12月28日(木)

【問合せ先】
PATサービスセンター(会員専用)
050-3771-2000
JRAインフォメーションデスク
050-3536-0066
※ 受付時間等の詳細は、JRAホームページ
(http://jra.jp)をご覧ください。

※ https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gambling_addiction/kanjikai_dai4/siryou3.pdf 抜粋・引用