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「ニホニウム」が113番元素名として正式決定! アジア初の快挙!

社会

以前このブログで紹介した
113番目の元素「ニホニウム」が
化学に関する国際機関
「国際純正・応用科学連合」
(International Union of Pure and Applied Chemistry、IUPAC)
によって正式名称に決定した。

今まで元素を発見した国は
欧米とロシアのみ。
それ以外では初めてという快挙となった。
勿論、アジア初なのは言うまでもない。

113番目の元素「ニホニウム」

元素とは、物質を構成する最も基本的な粒子のこと。
その原子番号の1は水素で2番目はヘリウム・・・という具合。

昔学校で習った「スイヘーリーベーボクノフネ・・・」を覚えているだろうか?
あれが元素表の暗記法だった気がする。

話は横道にそれたが、自然界には原子番号1の水素から94のプルトニウムまで、94個の元素が発見されている。
が、95番目以降は人工的に作り出されたもの。
現在は118番元素までが報告されている。

実は、今回日本が命名権を得た113番目の元素も、ロシアの研究所で日本とは別の方法で合成したと発表されていた。
が、その実証が不十分と判断されていた。

そして今回、あのSTAP細胞でその名が知られた理化学研究所の森田浩介グループが「113番元素ができてから瞬時に崩壊を繰り返し、次々に別の元素に変わる過程を完全に示した」としてその命名権を獲得したのだそう。

「ニホニウム」は「ウンウントリウム」?

「ニホニウム」の元の名は「ウンウントリウム」という。
これは仮元素名と言われるもので、正式な元素名が決定するまでの間に呼ばれる仮の名前だ。

それはラテン語とギリシャ語から選ばれた言葉で「1はウン」「2はビ」「3はトリ」というものの語尾に「-ium」をつけたもので表される。

「ニホニウム」は113番目の元素なので、
1=ウン、3=トリでウンウントリウムという仮の名になる。
面白い!

なぜ「ニホニウム(Nh)」?

理化学研究所が9年余りの歳月を掛けて発見した新元素。
その新元素合成実験は当初「ジャポニウム計画」と名づけられていた。

よって新元素の名称も「ジャポニウム(Jp,Jn)」が有力と考えられていた。
しかし、より日本らしい名前にということで「ニホニウム」に決定されたとのことだ。

科学を勉強すると必ず元素の周期表が出てくる。
そこに日本の名前の付いた元素があれば、科学に興味を持つ子供たちが少しでも増えてくれるのでは、という期待も込められている。

ちなみに元素名には「○○ニウム」と付いているのが多い。
これはIUPACによって金属の元素名には語尾に「-ium」を付けると定められたからだ。

同時に3個の新元素にも新しい名前

IUPACによると、今回、113番元素の「ニホニウム」の他にも3つの新元素の名前が決定したという事だ。

115番元素
・モスコビウム(mosucovium)
研究の拠点となったロシアの首都モスクワより。
117番元素
・テネシン(tennessine)
研究拠点が多くあるアメリカ・テネシー州の地名より。
118番元素
・オガネソン(oganesson)
新元素の発見に大きな功績のあったロシアの科学者の名前から。

いまや元素は、自然界に存在する物を見つける時代から、現存する物を融合して新元素を作り出す時代になってきている。

「ニホニウム」の元素名を眼にした子供達が、今までに無かった夢のような新元素を作るのも遠い将来ではないのかもしれない。