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113番元素「ニホニウム」の作り方と名前にこめられた想い

テレビ情報

「nihonium」ニホニウム…

これは、6月8日、
理化学研究所が発表した
113番元素の名前です。

ところで、
113番めの元素ってなに?
どうやって作るの?
と、思いますよね。


新しい元素を見つけることがどれだけ大変なことか…
さらにその元素に名前を付けることが、どれだけの栄誉なことなのか…

実は、この名前が決まる前に他にも名前候補が幾つかあったそうです。

それらを含め、深読みしてみました。

 

113番目の元素「nihonium」ニホニウムとは

日本初113番めの元素

・「ニホニウム」6月8日 午後10時半、ホームページで発表
・元素記号の案を「Nh」
・九州大
森田浩介教授
理化学研究所のグループ
12年前に埼玉県和光市にある大型の実験装置を使って人工的に作り出すことに成功した

元素とは

=物質を構成する基本的な粒子のこと
例えば原子番号1番は水素、2番はヘリウム…という具合。

その113番目の元素を日本の理化学研究所が発見したので、その名前の命名権を与えられ、考えた結果「nihonium」ニホニウムにした、ということらしい。

ちなみに、この名前は「国際純正・応用化学連合」が、5カ月間意見を募集し、審査を経て決定する。

113番元素を作る方法(日本の場合)

原子番号30番の亜鉛(陽子が30個)と原子番号83番(陽子が83個)のビスマスという金属を合体すれば理論上、113番元素(陽子が113個)になる。

【理論上】

亜鉛の陽子30個

ビスマスの陽子 83個

しっかり合体すれば陽子が113個の113番元素になる

原子核の大きさ1000億分の1ミリ。
衝突させること自体難しい実験。

衝突したとしても原子核がしっかり合体する確率は100兆分の1。

理化学研究所が実験を開始したのは2003年9月。
実験に成功し、113番元素が出来たという十分な確証が得られたのは2012年8月。

実験開始から9年の時間がかかったそうです。

113番めの元素、現在の名前は「ウンウントリウム」

実は113番めの元素名、現在の名前は「ウンウントリウム」。
この存在は以前からわかっていた。

しかも日本を含め、外国のチームで何度か作られている。
しかし命名権を取得するまでには至っていなかった。

今回「113番元素ができてから瞬時に崩壊を繰り返し、次々に別の元素に変わる過程を完全に示した日本」に命名権が認められたということだ。

命名にまつわる候補名

理化学研究所の新元素合成実験は「ジャポニウム計画」名付けられていたので「ジャポニウム」(予定元素記号:Jp, Jn)が最有力とみられていた。

その他にも
他にも研究所所在地の和光市からワコニウム
和光市の旧地名大和町からヤマトニウム
物理学者の名前仁科芳雄からニシナニウム

Nature誌上での予想

イギリスの科学雑誌「ネイチャー」は上記の候補の他に、
天照大神にちなんだ “Amaterasium
煙々羅にちなんだ “Enenraium
ゴジラにちなんだ “Godzillium
などの名前もあがっていたらしい。

※煙々羅…煙の妖怪の名前
かまどや風呂場から立ち上った煙の中に、人のような顔の形で浮かび上がるもの
by ウィキペディア

「nihonium」に込められた思い

以下は、研究者の声である。

「日本」にちなんだもの。発見者の森田教授はこれまでに「日本の子どもたちが周期表を見たときに親近感を持つきっかけになるような名前を考えたい」
「人類の知的財産として継承される周期表に、日本を中心とする研究グループが発見した元素が載ることは大変光栄」

今まで元素を発見した国は、欧米とロシア以外にはなく、今回のことはアジア初でもある。
かなりの快挙なのだ。

2011年に起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故によって失われていた、日本人の科学に対する自信と日本の科学への信頼とを、今回の新しい元素への命名によって、再び取り戻すことができるよう期待している

日本の科学の力を、世界に知らしめた、喜ばしいニュースだ。