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2017年1月1日に「うるう秒」実施。 8時59分60秒が登場。 エンジニアは悲鳴!

社会

国立研究開発法人情報通信研究機構によると、
2017年(平成29年)1月1日(日)午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に
「8時59分60秒」が挿入されるとのこと。
この「うるう秒」の調整は1年6ケ月ぶりだ。

うるう(閏)秒とは

「現行の協定世界時(UTC) において、世界時とUT1との差を調整するために追加もしくは削除される秒である」
とのことらしい。

・・・一体何のことやら?

簡単に説明すると、
世界共通の時には、いくつかの種類がある。
UTCとかUT1とかUT2とか言われるのがそれ。

古来より地球の自転を基準として1日という長さが決められ、それの1/24を1時間とし、1時間の1/60を1分、1分の1/60を1秒としてきた。
これが「UT1」である。

しかし実は、地球の回転速度にはムラがあり、いつでも同じ速度で回転しているわけではない事がわかってきた。
それに対して、より正確なセシウム原子時計(誤差はなんと1億年で1秒)で決められた時が「UTC」である。

「UTC」の誤差は1億年で1秒程度。
「UT1」は地球の自転速度次第なので、ある意味不規則。

従って、UTCとUT1の間には、僅かだが誤差が生ずる。
この誤差を±0.9秒以内に納める為の調整が「うるう秒」なのだ。

お分かりいただけただろうか?

ちなみに、過去行われた「うるう秒」の調整は全て正のうるう秒(1秒追加)で、負のうるう秒(1秒削除)は未だ実施されていない。

そしてこのうるう秒は思いのほか頻繁に実施されており、1972年~2016年までの44年間で計27回(27秒)、のうるう秒が実施された。

1月1日のうるう秒実施にエンジニアは悲鳴

今回のうるう秒実施は2017年1月1日、つまり元日だ。
よりによって元日にと思うが、うるう秒実施の第一優先月が6月または12月の末日と定められているので、致し方ないらしい。

イレギュラーなうるう秒が挿入される事により、情報システムに障害が発生する可能性がある為
エンジニアはそれに備えて、年末年始の出勤は待ったなしの状況のようだ。

現に、前々回のうるう秒実施の2012年7月1日には、航空会社のウェブサイトや国内外のSNSで障害が相次いだのだ。

このうるう秒によって、全国で何千人のエンジニアが元日出勤する羽目になるのやら?
ひとごととはいえ、同情してしまう。

うるう秒とうるう年は無関係!

うるう秒はあまり聞いた事がないが、うるう年なら知っているという御仁は多いのではないだろうか。

しかしこの2つは、全くの無関係なのだ。

うるう年とは、地球の公転周期が365日と5時間48分46秒である事に関係してくる。
つまり、1年は実際には、1年と5時間48分46秒の長さというわけだ。

その長くなった時間を調整するのがうるう年だ。
4年に一度、閏日(2月29日)を入れて帳尻を合わせている。

それでもまだズレが生じる為、100年に一度、丁度100で割れる年にはこの調整を行わないことにしている。
だから1800年、1900年には閏日が無かった。

しかしそれでも尚微妙なズレが生じる為、400で割れる年には閏日を抜かないということだ。
だから2000年には閏日があった。

なんともややこしい「うるう年」だ。