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旅館の窓際、椅子とテーブルが置いてあるあのスペースって何?…チコちゃんに叱られる!

チコちゃんに叱られる

旅館の部屋に入るとすぐ目に入る、椅子とテーブルが置いてある、あの窓際のスペース…
冷蔵庫やゴミ箱、鏡、などが置いてある場合もある。

あの場所何?って言われても…

濡れたタオルを干す場所、湯上りの火照った体を落ち着かせる場所…眺めのいい、気持ちのいい場所であることは確かだが。

5月30日「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、渋谷凪咲(NMB48)と児島一哉(アンジャッシュ)、どちらも初登場だ。

ゲストをどちらもチーム名?で紹介した流れからか、チコちゃんは「ねぇねぇ、ナインティナイン…」と岡村に尋ねる。(これまで言われたことのない岡村、少しびっくりしたようだ。)

旅館の窓際にあるあのスペースって何?

「日本中を飛び回っている素敵な大人」という事で渋谷が指名される。

チコちゃんに「旅館の窓際にある、あのスペースって何?」と聞かれた渋谷「旅館の人がお客さんをおもてなしするために…」と話すと「全部やな、それはな」と突っ込まれる。

渋谷は改めて「ベランダ」と答えたが、チコちゃんに叱られた。

さらにチコちゃんは児島にも聞いてみた。
すると…児島の答えは、正解!

「つまんねー奴!」ということでチコちゃんから(ひさびさ)漢字書き問題が出される。
問題は「とまこまい」だったが、全員外れだった。(正解:「苫小牧」)

○チコちゃんの答え
⇒旅館の窓際にあるあのスペースはもと廊下

旅館の窓際のあのスペースはもと廊下

詳しく教えてくれるのは旅館建築に詳しい京都府立大学大学院の松田法子准教授。

先生は「旅館の窓際にあるイスと机が置かれたスペースはもと廊下。もともと長い廊下だった所を部屋ごとに区切ったことから出来たスペース。『広縁(ひろえん)』などと言われている」という。

現在、多くの旅館の廊下は、部屋に挟まれるように内側に設置されている。

一方、明治時代以前に建てられた旅館の廊下は、各部屋を取り囲むように外側に作られていて、宿泊客がこの廊下から部屋に出入りしていた。

部屋の外側に廊下があるという造り自体、旅館に限らず江戸時代までの日本建築独特のもの。
外廊下、つまり広縁からは灯りもたくさん部屋に入るので、電気照明もなかった時代、旅館において理にかなった作りだったといえる。

確かに、外からの灯りを遮っていないため壁に窓を付けるよりは明るく感じる。

さらに外廊下は長期滞在の宿泊客が洗濯物を干したり、自分で食べ物を煮炊きしたりするスペースに使われていた。

このようにメリットが挙げられる旅館の外廊下だが、なぜ廊下を内側にする設計に変わったのか…。

廊下を内側にする設計に変わった理由とは

明治時代から日本は外貨の獲得などを目的として外国人観光客を積極的に招き入れるようになる。

欧米の住宅やホテルというのは、個室が離れているので、結果的にプライバシーが保たれていた。
当時日本の温泉旅館などでは大部屋で複数の人が寝泊まりするというスタイルが一般的で、西洋人に泊まってもらうには宿泊施設の改造が必要だった。

外に廊下があった頃は、大きな一部屋が襖で区切られていただけ、実質は部屋同士が繋がっている状態だった。

そこに中廊下が取り入れられ、大きな一部屋がまず2つに分かれる。
それから部屋と部屋の間を壁で仕切って出入り口を鍵付きの扉にし、使われなくなった外廊下を部屋ごとに区切ることで完全な個室になった。

こうして外国人環境客にも使いやすい日本旅館が誕生した。

そして後々、この外廊下は畳に座る文化がない外国人のためにイスやテーブルを置くスペースとして活用されたと考えられる。

実際、外国人観光客に快適にホテルや旅館を利用してもらう事を目的として昭和27年に決められた「国際観光ホテル整備法」に、「いす及びテーブルの備え付けのある広縁、その他の施設があること」と広縁などの設置を義務付けられている。

現在多くの旅館やホテルの和室にあのスペースがあるのは、この法律に従った結果であり、またそうした設計が一般化されたものだと考えられる。

つまり…
広縁はもと廊下を外国人観光客をもてなすための改装などをきっかけとしてイスやテーブルを置く場所として有効活用したものの名残だと考えられる。

先生が全国を旅して見つけたおススメの広縁

「もと廊下ではあるが外部空間と緩やかにつながるスペースなので、広縁からの景色、結構好きなんですよね」と先生。

という事で、先生が全国を旅して見つけたおススメの広縁を紹介してくれた。

※今回紹介してくれた3ヵ所の旅館、写真は出ましたが旅館名などは出ませんでした。説明のみですみません。

長野県 別所温泉の旅館にある広縁

庭を眺められる明るい広縁には、クラシックなイスとテーブルが置かれている。
客室同士は、壁のない渡り廊下で庭の中で繋がっていて中を歩いていくとまるで迷路。
広縁付き客室が他の部屋と視線が重ならないように広大な敷地の中に分在している。

京都府 日本三景天橋立の旅館

広縁のすぐ前は海の水面で、その向こうに見える緑は天橋立(あまのはしだて)。
天橋立と旅館に挟まれた水路を行きかう船を、広縁から眺めたりできる。
そういうゆったりとした時間が流れるところ。

京都府 創業300年老舗旅館

一階の広縁は地面と同じレベルにまで低くして、より庭との関係が連続するようにデザインしたり、部屋と庭の間の大きい一枚ガラスにしたり…

老舗旅館だが、とにかく片時も立ち止まらない広縁空間をアップデートし続けている。

5月30日NHK「チコちゃんに叱られる!」より参照・抜粋

まとめ

今でも、部屋を囲むように廊下がある旅館を知っている。
田舎の山奥にあるひなびた旅館…泉質が良く、長く滞在する湯治客が多い。

豪華なテーブルやイスがあるわけでもないが、自然豊かな、景色だけは贅沢な、広縁ももちろんある。

誰でも自分で料理を作ることができる広い台所があり、お金を入れると決まった時間使う事が出来るという煮炊き用のガスもある。

いつしか知らない湯治客同士が、出来上がったおかずを交換する仲になったり、部屋を訪れ世間話に花を咲かせたりするようになるらしい。

そんなゆったりとした居心地のいい時間が過ごせる旅館…。

…以上、80を過ぎた母の隠れ家的旅館の話でした。

たまには一緒に行きたいなぁ。

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