今回はまた…原作と同じなのは、
ある老人がレモンハートにやってきて
「むかし飲んだ懐かしのジン・トニックが飲みたい」とオーダーするというプロットのみ。
酒役のジンは違うし、トニックウォーターの銘柄も違う。
でも、なんかイイ感じの物語に仕上がっていた。
スポンサーリンク
「なつかしのジン・トニック」あらすじ
レモンハートに一人の老人が入ってくる。
その老人がオーダーしたのは「美味いジン・トニック」。
それも2回も「美味いジン・トニック」と念を押した。
そしてそれを飲んで一言「不味いよ、このジン・トニックは」。
絶句するマスター・・・。
それにしても、老人役の麿赤兒、怖すぎ!
あんな顔で「不味いよ」と言われたら、危ない筋の方かクレーマーとしか思えない。
さすが暗黒舞踏集団の主宰者、強面の演技は流石だなと感心してしまった。
本題に戻り、
老人が不味いと言ったのにはきっと理由がある。
それは老人の言葉にヒントが隠されている。
老人は「遠い昔、仲間達と飲んだジン・トニックの事を思い出した」と言った。
つまり、昔のジン・トニックが飲みたいのだとマスターは考えた。
今と昔のジン・トニックは何が違うのか?
まず、ジンだ。
今のジンはオレンジやレモンピールによるシトラスフレーバーが主流だが、昔のジンにはジュニパーベリーがたっぷり含まれていた。
ということで、ジュニパーベリーが通常の2倍含まれている「シップスミスVJOP」を用意する。
原作では「ヴィクトリアンバットジン」を使用しているが、これもジュニパーベリーは通常の2倍含まれている。
両方共、ロンドンドライジンの正統派。
ただ、なぜドラマではシップスミスにしたのかは謎だ?
トニックウォーターに隠された謎?
もう一つのキーポイントがトニックウォーター。
ここには、原作とドラマのタイムラグの妙があり、ちょっと面白い。
ふと漏らしたブリティッシュイングリッシュから、老人は昔ロンドンにいたのではないかと思ったメガネさん。
それならば、トニックウォーターはキニーネ入りだろうとマスター。
原作ではこのキニーネ入のジントニックを用意するために、老人から一週間の猶予を貰う。
しかしドラマでは3日間の猶予だ。
何故なら?
原作が描かれたのは2002年~2003年。
この当時、キニーネは食品法で劇薬に指定されており、食品への添加は許されていなかった。
その為、キニーネ入のトニックウォーターは輸入が許可されておらず、マスターはイギリスに行って買い付けてこようと思ったので、一週間が必要だった。
ところが、2004年にロンドンで創業した「フィーバーツリー社」がキニーネ入のトニックウォーターを発売し、それが日本にも輸入されたのだ。
従って、ドラマ化された時には日本でもこのトニックウォーターが手に入るようになっていた。
なので、一週間は必要なくなった・・・私は思っている。
かくして「シップスミス」と「フィーバーツリー」で昔のジン・トニックを再現したマスターは、老人を満足させた。
そして、老人の一言は「老い先短いと決めていた人生だったが、こんな美味いジン・トニックを飲まされたら、来年もこれで祝うしか無いじゃないか」。
1杯のジン・トニックが、老人に生きる希望を与えた・・・。
ウ~ン、ちょっといい話!
スポンサーリンク
第22回の酒予想
次回のタイトル「鬼検事のけじめ」
第4巻PART50
同名の原作はあるが、予告の説明を見る限り、かなり原作とは違うようだ。
その違いを楽しむためにも、オリジナルの方のストーリーの説明を。
かつて鬼検事と言われていた安藤は、法定が終わると決まってレモンハートに寄り、同じ酒を注文した。
ある夜から突然姿を見せなくなり、その後マスターは風の便りに安藤が検事を引退したと聞いた。
それから12年。
安藤がレモンハートに表れた・・・自分が検事を引退した理由を答えに。
ある日法廷を終えて家に帰ると、泥棒がいた。
捕まえてみるとそいつは黒人で、国の母親が病気だが帰ろうにも金がなく、仕方なく泥棒に入ったという。
安藤は黒人に金をやり逃がしてやった。
検事である自分が泥棒を見逃してしまったのだ。
引退する事が検事としてのけじめだった、と語る安藤。
そしてその時の黒人との待ち合わせにレモンハートに来たのだと・・・。
酒役予想
ホワイトヘザー8年
※楽天で見つけました。
が、ドラマで使っているやつとはボトルが違います。
味わいはいたって辛口。
ライトボディーでラベンダーの軽い香り。
ハイボールに合いそうです。
スポンサーリンク