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雨が多いこの時期をなぜ「梅雨」と書き「ばいう」や「つゆ」と読むのか?

チコちゃんに叱られる

梅雨と書いて「つゆ」と読むのは、“梅が取れる時期だし、雨も多いから雰囲気的に当てた読み方なんだろう”なんて単純に思っていたが…多少違っていたようだ。

6月27日の「チコちゃんに叱られる!」最後の質問は「梅雨」について、だ。

なんでつゆは「梅の雨」と書くの?

チコちゃんに「この中(岡村、浅田舞、アンタッチャブルの山崎弘也)で雨さえも似合っちゃういい大人ってだあれ?」と聞かれ、岡村が「ちょっと…私行ってもいいですか?」と立候補。

浅田が岡村を褒めようとしたのか「雨も滴る…」と言い、山崎が「いい男」と続けたがチコちゃんに「マイマイ(浅田)、あの~、雨も滴るじゃないからね水も滴るだからね」と訂正が入った。恥ずかしがる浅田。

岡村は「6月は雨が降ることが多い。なんていう?」と聞かれ「つゆ」と答える。
そこで「(梅の雨とかいて「つゆ」と読むが)なんでつゆは梅の雨と書くの?…なんで梅なの?」と聞かれる。

岡村は「あの梅が咲いてくる。梅がぽつぽつと咲き始める。同じように雨もパパパ…よく空を見上げると梅の花びらが散るかのように雨が降ってくるから」と答えるが「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。

〇チコちゃんの答え
⇒つゆを梅の雨と書くのはカビが嫌だから

梅雨という字は別の漢字で書かれていた

詳しく教えてくれるのは大東文化大学の山口謡司教授。以前「にほんとにっぽん、二つの読み方があるのはなぜ?」でお世話になった漢字のプロフェッショナル。今回は、自宅(の勉強部屋)からのリモートで教えてくれる。

先生は「もともと梅雨という字は別の漢字で書かれていた。そしてこの梅雨という言葉は中国が発祥です」という。

梅雨は中国にも起きる気象現象

そもそも梅雨というのは6月から7月にかけての雨が多い時期を指す。

梅雨の天気図を見ると中央の線が天気予報でよく耳にする梅雨前線(梅雨の時期に雨をもたらす雨雲の一帯)この梅雨前線は、よく見ると朝鮮半島から中国の南方(長江の下流域に)までかかっているのがわかる。

実は、梅雨というのは日本だけでなく中国にも起きる気象現象。

梅雨と言えば日本特有のものと思いきやアジアの一部でもおなじみのもの。
ではなぜ、梅の雨と書いてつゆとなったのか?

もともと中国では「黴雨」と書いていた

元々、中国では「梅の雨」ではなく別の漢字が当てられていた。

雨が降ってジメジメすると増える厄介なモノはカビ。
もともと6月ごろに降る雨はカビをもたらす雨という事で「黴雨」と書いた。

黴=カビのこと

中国で生まれた「つゆ」はもともと黴の雨と書いて「バイウ」と発音していた。
(今は現代中国語なので「メイユー」と発音する)

しかし、ただでさえじめじめしているのにカビの雨ではイメージが良くない。
そこで、実は「黴雨」の黴(バイ)は「梅」という字の「バイ」と同じ発音。

中国で梅雨の6月ごろに収穫を迎える梅、カビと同じ倍という発音から梅の字があてられた。

奈良時代に日本に伝わる

中国で生まれた「梅の雨」という言葉が日本に伝わってきたのは奈良時代。

梅は古くから日本人に愛されていて、貴族など特権階級の人たちは梅の花を観賞して楽しんだ。
「和漢朗詠集(当時の漢詩・漢文・和歌をまとめた詩文集)」には。梅雨と書かれた詩の一説も残っている。

ちなみに…
現在の日本の元号「令和」。
これも万葉集にある。
梅を見て、みんなで和歌を作った記念に書いた文章の一説。

元号:令和
出典:万葉集初春のき月
気淑く風
は鏡の前の粉を披き
蘭は珮の後の香を薫らす

梅は日本でも良いイメージだったためそのまま梅雨という言葉が定着したのではないか、と考えられている。

「つゆ」とも読むのはなぜ?

しかし、なぜ日本では「梅雨(ばいう)」だけではなく「つゆ」とも読むのか?

先生は「これは諸説ある。(明確には答えられないが、僕が知る限り)2つ説がある」という。

「露」から派生した説

一つは「露」朝露とか言ったりすることがあるが、これから派生した説。
毎日のように雨が降るこの季節。
木々には水が滴り、その様子がまるで「露」が降りたように見えることから露と呼ぶようになった。

「梅」ぐちゃぐちゃ説

二つ目「梅ぐちゃぐちゃ説」。
この時期、旬を迎える梅。熟した梅はちょうどこの季節の雨風で地面へと落下し、ぐちゃぐちゃにつぶれてしまう。
潰れるという言葉は、昔は「潰ゆ(つゆ)」と表現され、転じて「つゆ」と呼ぶようになったのでは…という説。

まとめ

梅にちなんでスタッフはコウメ太夫にもこの問題を聞いてみた。彼の答えは「それは梅の時期が去ってしまって寂しいなと思って天から雨が降ってきて泣いちゃう」だったが出張チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と言われる。

チコちゃんによれば…今回、コウメ太夫さんに登場してもらったが、数年前に漢字の小さい梅からカタカナのコウメに改名してしまったので梅にちなんだ今回のオファーを自分が適任ではないのでは?と悩んでいたらしい。

ちなみに改名の理由は占い師に「このままだとトラックに轢かれる」と言われたためだそうだ。

※6月27日「チコちゃんに叱られる!」参照・抜粋

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