湯もみで有名な草津温泉も茶色。
兵庫の有馬温泉も茶色。
あの、神奈川の箱根温泉も茶色…
饅頭にはいろいろな色があるのに、なぜ温泉饅頭は茶色なのか?という話。
日本の温泉まんじゅうが茶色いのはなぜ?
4月16日のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、井上咲楽と高橋克実。
チコちゃんに「この(岡村隆史とゲスト)中で一番、温泉でのんびりしてそうな優雅な大人ってだあれ?」と聞かれ、岡村が「時々ロケとかで温泉はいらして頂いてある」と立候補する。
チコちゃんは「温泉のお土産と言えば(定番は)温泉饅頭だが、どこの温泉地に行っても大体売ってる。どこの温泉饅頭も茶色、なんで?なんで日本中の温泉饅頭は茶色いの?」と聞く。
(ここで、静岡の熱海温泉、山形の銀山温泉、栃木の鬼怒川温泉、兵庫の有馬温泉の温泉まんじゅうの写真が出る)。
岡村が「お風呂に入るという行為に関係していると思う、その側(がわ)の色は…体をあっためるわけですよね、これから…」というと、チコちゃんは「今までのところ、ボーっと、まできてるわよ」とプレッシャーをかける。
岡村は焦りながら「あったまった状態の温泉、あったまった身体の…」と言ったところで(チコメーターが上がっていき…MAXになたっところで)「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られた。
次に、スタッフは全国300か所以上の温泉を巡ってきた温泉俳優の原田龍二さんに聞くと「温泉協会の偉い人の鶴の一声で茶色になった」と答える。すると出張チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ」と叱られた。
◯チコちゃんの答え
⇒日本の温泉まんじゅうが茶色いのは、伊香保温泉のお湯が茶色かったから
温泉まんじゅうの定義は温泉地で作られていることくらい
詳しく教えてくれるのは、群馬の歴史、文化を研究している高崎商科大学の熊倉浩靖特任教授。
先生は「そもそも温泉まんじゅうにはレシピや調理方法は決められているわけではなくて、温泉地で売られているまんじゅうくらいの定義しかないんですよ」という。
熊倉先生によると、温泉まんじゅうが茶色でないといけないという決まりはないとの事。
茶色なのは伊香保温泉のまんじゅうを参考にしたから
ではなぜ全国の温泉まんじゅうは茶色いのか?
「(各地の)温泉まんじゅうは、群馬県の伊香保温泉のまんじゅうを参考にしたと言われている」と先生。
伊香保温泉は群馬県の渋川市にある関東屈指の温泉地。
今から110年ほど前に伊香保温泉にある松月堂さんという和菓子屋さんが売り出した饅頭が有名になり、そして、このお饅頭が伊香保温泉の茶褐色の温泉の色を参考にして作られた。
それをきっかけとして全国の温泉地に似たようなお饅頭を売り出すようになった、と先生はいう。
(北海道の定山渓温泉のまんじゅうの写真も出る)
伊香保温泉のまんじゅう
果してそれはどのようなお饅頭なのか、スタッフは伊香保温泉へ。
まず、土産屋さんで饅頭の色を確認。
出された饅頭は茶色、他のお土産屋さんを回っても茶色、確かにどこもかしこも茶色いお饅頭が出てきた。
とここで「ほんとに茶色なんですね」という原田が声と姿が。
「温泉俳優として、こういう知識を身につけておかないとという事でよろしくお願いします」と言って一緒に取材をすることになった。
「チコと小さな旅~温泉まんじゅうの色の秘密~旅人 原田龍二」というタイトルがでて、旅番組の様相だ。
そして、元祖「温泉まんじゅう」の店へ行く。
原田は4代目店主の半田正博さんに「こちらが温泉まんじゅうの元祖とお聞きしたんですけども」と聞くと「その通りです」と答える。
そして「こちらになります」と出された元祖温泉まんじゅうと言われている「湯の花まんじゅう」。
茶褐色にコーティングされたつややかな皮、中にはぎっしり餡子が詰まった王道のまんじゅうだ。
原田が食べてみる。「もっちもちですね、おいしいっす。あんこもサラッとしてるし…」という感想。
創業112年、創業当時から製造・販売しているそうだ。
色は「黄金の湯」の色
半田さんは、伊香保温泉のお湯は鉄分が多く含まれていて茶褐色をしていて初代が色を似せてこのまんじゅうを作ったのが最初でその温泉は「黄金の湯」と呼ばれている、という。
「色の由来を黄金の湯に行って確かめる必要があるのでは?」と原田。
確かめに行きましょうか、という事でその温泉に入ることに。
原田は黄金の湯をみて「いい温泉ですね、黄金色ですよ」と嬉しそうだ。
だが、裸で腰にタオルも巻いていない大事な所だけを隠した原田の姿を見たスタッフが「すみません、原田さんタオルとか巻いていただければ…」という。
すると原田は「タオル?何を言ってるんですか?ここでタオルを使ってどうするんですか?温泉にタオルを入れるとは温泉を愚弄してるんですか?デレクター」という。
そして「このカメラマンはね、僕と毎回温泉ロケに来ている信頼しているカメラマンなんです。だから安心してください」と目の前のカメラマンを紹介する。
温泉に入った原田は「ちょっとぬるめですね。確かに(まんじゅうの色に)似てますね」とお湯の色を確かめる。
黄金の湯の色のお饅頭を作ろうとした思ったきっかけとは
創業当時は、伊香保軌道線(1910年開業「渋川」~「伊香保」間を結ぶ路面電車)が出来て、伊香保がにぎわった時代。
その時に初代の半田勝三が「いいお土産がないか」という事を模索して色々考えていたという。
そして、当時、隣に須田さんという方が住んでいて、神奈川の江の島の片瀬まんじゅうというのをお土産に買ってきた。
白と茶色の饅頭で、江ノ島では大変人気のあったまんじゅうだった。
伊香保でもこういう饅頭がお土産になるんじゃないか、とアドバイスをいただいた。
…という話は聞いてます、と半田さん。
さらに「ただ小金の湯の色を再現するのに大変苦労したそうで、最初はお湯をじかに生地に練りこんで作ってみたそうです。食べた所、鉄さびの味だったそうです。食べられないと、…茶色のペンキまで入れて色の調合をみたそうです。
最終的にはお饅頭づくりでは割とポピュラーな黒糖を使って小金の湯を再現したそうです。
このレシピは門外不出で、引き継いでおります」と話す。
「こうしてお饅頭がつくられるまでにはいろんなご苦労があったんですね」と原田。
なぜ全国に広まったのか
こうして試行錯誤する事半年、小金の湯の色を再現したお饅頭が完成。
「色の秘密はわかったが、なぜ全国に広まったんですか?」と原田が聞く。
半田さんは「昭和9年に、陸軍特別大演習というのがありまして、昭和天皇が群馬県にいらした。
うちのまんじゅうを昭和天皇に献上して召し上がっていただいた。それが全国的に広まっっていったんじゃないかと思います」という。
この事を熊倉先生に聞いてみると
「その通りですね。当地の銘菓であるところのお饅頭を差し上げたところ、大変喜ばれた。そうしましたらね、いつの間にか…
(昭和天皇が)伊香保温泉の湯の花まんじゅうをお食べになられた
↓
(昭和天皇が)温泉地の茶色いお饅頭をお食べになられた
↓
やがて、温泉にある茶色いまんじゅうの事を「温泉まんじゅう」という風に全国で言うようになった、そういう経緯のようです」という。
最後に原田は温泉につかりながら、まんじゅうをほうばり「歴史を知ったうえで頂くと更に味に深みが増す」という言葉で締めた。
※4月16日のNHK「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照
まとめ
原田の裸だが、絵面は、それほど悪くない。
リポートは意外と聞きやすく、おもいのほか良かった、と思う。
今後も、出てきそうな予感がする。
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