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テレビは明るいところで見るのに映画館は暗いのはなぜ?

チコちゃんに叱られる

当たり前のようにテレビは明るいところ、映画は暗いところで見てきた皆さん。
映画館が暗い理由を何と無くわかっているつもりになっていませんか?

…という事で、今回は映画館はなぜ暗いのか?という話。

テレビは明るいところで見るのに映画館は暗いのはなぜ?

4月16日のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは、井上咲楽と高橋克実。

「この(岡村とゲスト)中で一番、根っからの映画好きな大人」という事で高橋が選ばれる。

チコちゃんに「テレビを見る時は明るくした方がいいって言われたことがあるが、映画館は暗い。テレビは明るいところで見るのに、なんで映画館は暗いの?」と聞かれた高橋。

「あれは、だからフィルムで投影するからじゃないんですか?」というと「昔はね」とチコちゃん。
高橋は「今は違うんだ…いつの時代の話をしているんでしょうね」と苦笑い。

そして「雰囲気。暗くないと映画館てまずいじゃないですか。デートで行くとか…映画館だからあれが明るかったら、だって…大体ほら、ホラー映画でもそうだし…キャー見たいなのを期待して、皆行くわけでしょ」と答えるが…叱られる。

◯チコちゃんの答え
⇒テレビは明るいところで見るのに映画館は暗いのは究極の黒を作るため

世界初当時の映画と現在の映画の共通点

詳しく教えてくれるのは、映像技術の発展に努める日本映画テレビ技術協会 毛塚善文事務局長。

先生は「テレビは明るいところ、映画は暗いところで見るという違いには、それぞれの歴史が深く関係している」という。

最初に誕生したのは映画で、1895年フランスのリュミエール兄弟の手によって世界初の映画がつくられた。その当時の映画には、現在の映画と二つの共通点があった。

初期の映画と現在の共通点
・共通点1 現在の映画館と同じくプロジェクターから出た光をスクリーンで反射し私たちの目に届ける
・共通点2 当時から映画は観客からお金を取るビジネスとして上映されていた

そのため映画にはより大きな画面で一度にたくさんの人に見せる能力が求められた
映写機やプロジェクターは、スクリーンとの距離を離すことで簡単に映像を大きくすることができるため、映画にはぴったりだった。

しかし、この装置にはある課題が…

昔は光源の性能が低く、明るさが足りなかったので暗い部屋でないと十分に見えない。
当時の光源には熱を発するものが多く、もし強い光源を付けることができたとしてもその熱でフィルムが溶けたり、変形したりする、という問題もあった。

これらの理由から、映写機とスクリーンを使うのに適した暗い環境で映画を上映することになったのだと考えられる。

一方、1953年、テレビ放送がスタート。
もともと家で使うものとして作られたので、映画とは違い、明るい部屋でも問題なく見ることができる必要があった。

そして、テレビは画面の明るさを強くすることで、この課題をクリアするが、逆に、暗い場所には適さないものになってしまった。

明るいところから急に暗いところに移動した時、だんだんと周囲の物が見えてくるというように、人間の目には周りの明るさに合わせ見え方を調節する能力がある。

しかし暗い環境で目が慣れた状態で、明るすぎる光や極端な点滅を見てしまうと、強すぎる刺激が脳に伝わり、意識障害などを起こす危険性があると言う。

光りの明るさが強いテレビの場合、明るい環境で見た方がこの危険を減らすことができる。
一方映画は、テレビと比べて明るさが弱いので、暗い空間で見ても脳への刺激が弱く危険性も低いと言われている。

「映画とテレビの明るさの違いが、両者を暗い場所で見るか、明るい場所でみるかという違いに繋がっているという事ですね」と先生。

しかし、現在の映画館のほとんどでは、デジタルシネマプロジェクターという装置が使われており、フィルムではなくデータを使用している。

これによりフィルムが燃えるリスクもなくなり、光源の性能も上がったため、プロジェクターでもテレビと同じくらい明るい光を使って、映像を映すことが技術的には可能になっている。

なぜ映画館は暗いままなのか

ではなぜ映画館は暗いままなのか?

「それは映画に不可欠な究極の黒、を生み出すため」と先生。

例えば着ている黒い服にはしわがあったり、色が落ちていたり、と黒一色では表現できない細かな質感がある。
この黒の違いを表現するため、に最も重要なのが一番黒い黒。

一番黒い黒が、明るいと、黒として使える色の黒の範囲が狭くなってしまい、幅も狭まってしまう。

「究極の黒を使った表現を、テレビでもわかるように極端に表してみます」と言って見せてくれた動画は、黒い長そでシャツを着た女性が食卓に座っている様子。

特に女性のこの部分に注目…といって映し出されたのは腕の肘の曲がった部分。
影の強弱が生まれ、立体感が増している。(しわになった影の部分がより黒くみえる)

そして究極の黒を作る、最も簡単な方法は部屋を真っ暗にして、何の光もない状態を作ることです。
と言って先生は、自分がいる部屋の明かりをスイッチで消す。

真っ暗になった現在の画面が映る。

先生は「テレビの前の皆さんには、このように黒い画面に映った(反射した)自分自身が見えていたのではないでしょうか」という。

モニターに何も映していなくても、モニターに照明や外の光が反射すると究極の黒にはたどり着けない。

しかし映画館は真っ暗な中で見ているので、光の反射がなく、より深い黒を表現できる。

そのために技術的に明るい環境に負けない光源がつくられた現在でも、暗い映画館での上映を続けている、という事だそうだ。

スタッフは、数々の名作映画(※「おくりびと」など)の撮影を担当してきた日本映画撮影協会浜田毅理事長に映画にとって黒がいかに重要なのか、聞いた。

「まずは基本的には黒のあり用から考えていく。画の作り方は、黒がない画だと奥行きとかも感じてこない。
逆に黒があるから、明るいところも引き立ってくる。

例えば『おくりびと』とするならば、白を背景にした衣装も、トーンとか黒の中にもディテール(細かい違い)が欲しいなーと思って作った。

テレビだとほんとにわかんないと思います。

やっぱり闇のなかで見て頂くのが一番いいと思います」と答えていた。

愛ちゃん情報

「最近のテレビの中には「シネマモード」「映画モード」という暗い部屋に合わせた設定を選べるものもあり、明るさを抑えた画面にすることが可能になっている。これによってご家庭の中でも究極の黒を体感できる、という事なんですね」との事だ。

※4月16日のNHK「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照

まとめ

そういえば、うちのテレビにもシネマモードはついていた。

でもやっぱり、いい映画は映画館で迫力ある音で味わいたいと思うよな、やっぱり。

今回は、たまには映画にでも行ってみるか、っていう気になったなぁ。

GW、なんか見たい映画あったかな?探してみよ。

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