一枚の絵や写真をバラバラにして再び元の状態に戻す、ジグソーパズル。
一体なぜ、わざわざこの様なものを作ったのだろう?
なんでジグソーパズルというものが作られたの?
4月23日放送のNHK「チコちゃんにられる!」。
今回のゲストは、百田夏菜子と土田 晃之。
「この中(岡村隆史とゲスト)で一番、作業が細かい素敵な大人」という事で、百田が選ばれる。
チコちゃんに「なんでジグソーパズルというものが作られたの?」と聞かれた百田「細かい作業をするのが教育にもいいから。頭を使ってやるから、いい大人になれそう」と答えたが、叱られる。
◯チコちゃんの答え
⇒ジグソーパズルが作られたのは、子供に地図を教えるため
子供に地図を教えるため
詳しく教えてくれるのは、パズルとクイズの普及活動をしているパズル学研究者の東田太志さん。
先生は「なぜジグソーパズルがつくられたかというと、子供に地図を教えるためなんです」という。
300年近く前、イギリスの「ジョン・スピルズベリー」という製図師が、地図をパズルにしたものを売り出したのが最初だと言われている。
なぜ地図のジグソーパズルを作ったのか?
当時のイギリスは、大英帝国と呼ばれていて、世界の地図を子供たちに覚えさせるという事が、貴族にとってはとても重要な事だった。
1700年代のイギリスは、海を渡り世界中に進出。
その勢いは7つの海を支配すると言われていた。
貴族にとって国の規模や位置を覚えることは重要だった。
そのためイギリスの貴族は、自分の子供たちに早くから世界地図を覚えさせていた。
そこで、スピルズベリーがつくったのが、ヨーロッパの国々を国境でバラバラにできるようにした木製のパズル。
これを子供向けの教材として売り出す。
国の形や位置を繰り返しはめ込むので、遊び感覚で自然に覚えることができると、貴族に大ヒット。
当時の国王ジョージ3世(在位1760~1820)も子供たちにジグソーパズルを買い与え、専用の収納ボックスまで作るほどだった。
しかし、値段は今の価格で10万円以上。
庶民には手の届かないものだった。
地図以外の物も作られていく
するとスピルズベリーは、海を無くし、陸地だけのジグソーパズルを作った。
木材の量を減らし、三分の一の価格で売り出すと庶民にも人気が高まっていった。
その後、地図だけではなく、子供たちが覚えなければいけないもの、例えば、掛け算の式とか聖書の一節(の絵画)などにもジグソーパズルをが使われるようになっていく。
さらには、シンデレラなどのような物語の挿絵をパズルにしたものが登場するなど、ジグソーパズルは徐々に教育から遊びへと変化する。
19世紀に入ると材料が木から紙へ変わり、大人向けの絵柄も生まれ、ピースの数も増えるなど、ゲーム性が高くなって人気となり、世界中に広がっていった。
ジグソーパズルの形も変化
しかし、今のジグソーパズルは出っ張った所、凹んだところもあり、この形がほとんど
一体なぜなのか?
いくつかの理由はあると思うが、凹凸がついた形だと一回パチッとハメてしまうとなかなか簡単には取れない。
当初のジグソーパズルは、ちょっと動かしただけでピースがずれてしまった。
そのため職人たちが試行錯誤し、この形になったのではないか、と先生は言う。
日本でも大流行
ここで先生から問題が出される。
「日本にジグソーパズルが輸入されるようになったのは1970年代のこと。
輸入されると同時に大流行が起こったのだが、その理由は何か?」
ここでスタッフは、こういう事には詳しいであろうと思われる永山先生(食文化研究家の永山久夫さん89歳で1970年代は40代)に電話をして聞いてみる。
その結果「インスタント食品が大流行したからパズルをやるようになった」と答えたが、違っていた。
答えは「モナリザ展(1974年、と東京国立博物館でモナリザが公開)」。
およそ150万人が詰めかけるなど社会現象になった。
そこでおもちゃメーカーは、モナリザブームがくると考え、モナリザのジグソーパズルを輸入。
すると細かい作業が好きな日本人に受け大ヒット。
5日で約2万個が売れた。
空前のジグソーパズルブームが巻き起こった。
ジグソーパズルの作り方
ジグソーパズルの作り方は?
…という事で、スタッフはジグソーパズルを作っている工場に向かい、ジグソーパズルメーカーの田中宏美さんに話を聞く。
二つのプレス機械で作る
造っていたのは姫路城のパズル。
お城が印刷された厚紙を一つ目のプレス機に入れると切れ目が横だけ入ったものが出てきた。
そこから今度は2つ目のプレス機に入る。
すると厚紙は(縦の線も入って)本来のジグソーパズルの形になった。
これをバラバラにするのは、手作業。
前後のパズルが混ざらないように間隔を空け、程よくバラバラにする。
この作業は機械では難しく、熟練のスタッフの職人技。
検証 ジグソーパズルで本当に地図を覚えることができるのか
ところで地図を覚えるために作られたジグソーパズルで本当に覚えることができるのか?
という事で、43歳のディレクターで検証した。
まずは今どれだけの国の名前と位置を知っているか、真っ白な地図に国名を記入してもらった。
記入した数は73か国で正解したのは46か国だった。
これから、組み立てるのは256の国と地域が書かれた1,000ピースの世界地図。
一般的な成人なら平均約15時間で完成するらしい。
経過
・1個目ハメるまで1時間…残り998ピース。
・作業開始から3時間でようやく外枠完成。
残り874ピース。
・8時間経過…残り730ピース
もはや地図を覚えることより完成することに没頭するディレクター。
難関は海、海だけで12時間かかった。
・制作時間30時間34分で完成。
地図はどれだけ覚えられたかというと…
なぜかもとより数が少なくなる結果に(42か国に減った)。
この事を先生に報告すると「30時間かけたらジグソーパズル解くよりも地図を眺めている方が覚えられますよね」と言われる。
愛ちゃん情報
ジグソーパズルを売り出したのはジョン・スピルズベリーさんだが、発明したのは教育関係の書籍を作っていたボーモン夫人という説もある。
※4月23日放送のNHK「チコちゃんにられる!」より抜粋・参照
まとめ
このパズルの事をこれまで「ジグゾーパズル」だと思っていたが、実は「ジグソーパズル(jigsaw puzzle)」だった。
「jigsaw(ジグソー)とは糸のこで切った形のという意味らしい。
なのでジグゾーは誤り、知らなかった。
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