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どうしてラップはくっつくの?

チコちゃん ラップチコちゃんに叱られる

どうしてラップはくっつくの?

12月11日の「チコちゃんに叱られる!」のゲストは西川清と高橋みなみ。
チコちゃんに「食べ物を大事にする素敵な大人」と聞かれ、岡村は高橋を指名。

高橋が答えるのは、視聴者からの疑問「どうしてラップはくっつくの?」だった。高橋の答えは「摩擦的なことを起こして、静電気的なことも起こしつつ、…お皿にのみ反応するのりが付いている」だった。周りから少し笑い声が漏れ…チコちゃんに叱られた。

◯チコちゃんの答え
⇒ラップがぴったりくっつくのは、まっ平だから、そして柔らかいから

ラップがくっつく理由は「まっ平」で「柔らかい」から

詳しく教えてくれるのは、ラップがくっつくメカニズムに詳しいラップ製造会社技術部、大森麻希子さん。

自然の力でくっついている

大森さんが「ラップがくっつく理由は、まっ平で柔らかいから」というと、スタッフが「表面に何か塗っているとか、そういわけじゃないんですか?」と聞く。

すると大森さんは「何かを塗っているとかではなくて自然の力でくっついている」と答えた。

①なぜ「まっ平」だとくっ付くのか?

一見、平らに見えるポリ袋の表面を500倍に拡大してみると、繊維が重なり合い凸凹しているが、ラップの表面はまっ平。(二つを比べてみるとその差は歴然だった)

ではなぜまっ平だとくっ付くのか?

分子が引き合う力が働くから

表面がまっ平だとファンデルワールス力が強く働くから

この世のあらゆるものには、ものすごく近づくと、物質を構成している分子と分子が引っ張り合うという習性があり、これをファンデルワールス力という。

しかし、この世に多くの物は、表面が凸凹しているため、分子と分子が近づくことが出来ず、ファンデルワールス力は働かない。

ファンデルワールスを生み出しくっつけている例として過去に接着剤についての放送があった。

https://www.takumi-inv.com/tiko-settyakuzai

ラップの場合は…
ラップは、まっ平だからこそ(接着剤が必要な場合のような隙間はそもそもなく)食器に限りなく近く事ができるので、ファンデルワールス力が働き、くっつく力が生み出されている。

②なぜ「柔らかい」とくっつくのか

ラップは薄いので、いろいろな形のものに密着することができる。
その時、密着した部分の内側と外側で大気圧の差が起きる。

空気圧とは空気が物を押す力の事(空気の重さによって生じる圧力)で、この力の大きさは、この空間の空気の量によって変わる。

例えば…
ポテトチップスを標高の高いところに持って行くとパンパンになる。

これは、空気の量が多い場所で閉じ、空気の少ない標高の高い場所に持っていくと袋の外よりも中の方が大気圧が大きくなって、中から外に向かって押す力が働くから。

そして、ラップと食器の間では、その逆の事が起きている。

大気圧に押されるから

ラップにはどちらの面にも同じ大きさの大気圧が働いている。

しかしラップを食器に掛けると、密着する部分の空気が追い出され、わずかな隙間は空気が少ない状態になる。

すると空気がたくさんある外側の大気圧が大きくなり、ラップは食器に押し付けられてくっつく。

結論:ラップはまっ平で柔らかいので、分子が引き合う力大気圧に押される力の影響を大きく受けて食器などにくっついている。

ラップに関する質問に答えるコーナー

ラップに関する質問を大森先生に答えてもらった。

ラップの悩み①…くっ付きにくいラップがある

解決法:ポリ塩化ビニリデン製とポリエチレン製を使い分ければよい。
(ラップの箱に書かれている原材料を見ればわかる)

使われているラップは主に「ポリ塩化ビニリデン製」と「ポリエチレン製」がある。

・くっ付きやすいポリ塩化ビニリデン製
ポリ塩化ビニリデン製は、分子の密度が高いのでくっつく力が強い。
分子の隙間も少ないのでにおい、水蒸気、酸素を通しにくい。
⇒冷蔵庫に入れても、におい移りや乾燥がしにくい。。

・くっ付きにくいポリエチレン
ポリエチレンが使われたラップはちょっとくっつきにくいと感じる
が、酸素を通しやすい、という特徴がある。
⇒保存している野菜や果物が呼吸できる

ラップの悩み②…くっ付かない食器がある

解決法:食器のフチを水でぬらすとぴったりくっつく。

木の器など凹凸の多い食器は、ファンデルワールス力が起きる範囲が少なくなってしまうのでくっつく力が弱まってしまう。

でも水を垂らすと水が食器とラップの隙間を埋め、接触する面積が増えるので、ぴたっとくっつけることができる。

ラップの悩み③…切れ目がわからなくなる

解決法:スポンジでこすると切れ目がすぐにわかる。

スポンジは網目構造になっていて、わずかな段差がたくさんある。
表面をスポンジでこすると、この段差の隙間にラップの端がひっかかり、摩擦の効果も相まって少しずつめくれていく。

 

・くっ付きにくいラップ⇒野菜果物向き
・くっ付かない食器⇒縁を水でぬらす
・切れ目がわからなくなる⇒スポンジでこする

※以上12月11日放送NHK「チコちゃんに叱られる!」より、抜粋・参照

まとめ

今回のラップの疑問の答えは摩擦だと思っていた自分にとって目からうろこだった。
さらにラップの悩み解決は、大いに参考になった。

さっそく持っているラップ2本の製品名を見たら「塩化ビニル樹脂」と「ポリエチレン」だった。早速使い分けようと思った。

その他の疑問

https://www.takumi-inv.com/tiko-hituzi-nemuru

https://www.takumi-inv.com/tiko-daibutu-te