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田んぼに立つ人形をなぜ「かかし」というの?

チコちゃんに叱られる

なんで田んぼに立っている人形をかかしって言うの?

11月20日放送のNHK「チコちゃんに叱られる!」のゲストは三代目 J SOUL BROTHERSの山下健次郎と若槻千夏。

「3食お米を食べてそうな健康的な大人」と聞かれ、岡村が回答者になる。

チコちゃんに「なんで田んぼに立っている人形をかかしって言うの?」と聞かれた岡村「人物から…ほにゃららかかし、たかしさんだったかもしれません」と答えるが、叱られる。

◯チコちゃんの答え
⇒田んぼに立つ人形をかかしというのは、臭いにおいをかがしていたから

鳥や獣を近づけないようにニオイをかがしてた

詳しく教えてくれるのは、文化人類学が専門の九州工業大学近藤直也名誉教授。

「今でこそ『かかし』は田んぼの中に立つ人形を指すが、昔は『かかし』ではなく『かがし』。臭い臭いを出して鳥や獣を近づけないようにしていた。ニオイをかがしてた」と言う。

その昔、人々はしめ縄を張ったり、引き板と呼ばれるもので音を出したりして、田んぼを荒らす動物たちを追い払っていた。

しかししめ縄や音だけでは、鳥が慣れてしまい、防ぎきれない、という事で(目先を変える意味で)ニオイを出そうと考えた。

髪の毛+猪の毛を燃やしたニオイはどれだけ臭いのか

そのニオイとは「人間の髪の毛を猪の毛を燃やした」ニオイ。

先生によると、
・5~60㎝の長さの布と髪の毛を一緒に編み込み、しめ縄状にする。
・そして、長さ60㎝ほどの猪の毛(皮つきのもの)を用意。
・これを竹竿の先に一緒に吊り下げる…これが「かかしの原型」。
・これを被害の受けそうな田畑に立てて、火を点けてそのニオイで動物を追い払っていた、という。

スタッフが実際にそれを燃やしてみると…
強烈なニオイでカメラマンも思わずせき込む。
その匂いを計測するため急いで煙を集め、(ご近所に迷惑にならないように)すぐに消化した。

臭気計で測ったその匂いの数値は「666」だった。

独特な臭いでおなじみの食材「納豆」と「クサヤ」を同様に測ってみると…「納豆は531」「クサヤは473」だった。

この結果で、髪の毛と猪の毛のニオイがどれだけ強烈な臭いなのかわかるだろう。

「猪と人間の毛を燃やすという事は、単に臭い匂いをばらまくだけではなく、今度この田畑に入れば同じ目にあうという考えを動物に与える役割もあった。」と先生。

匂いは魔よけの意味もある

当時の人々にとって匂いは「魔よけ」という意味もあった。

鎌倉時代に書かれた絵巻「春日権現験記」に、疫病に苦しむ人を屋根の上から鬼がのぞき込む様子が描かれている。

そして、玄関のところにイワシの頭も描かれており(実は鬼はイワシの頭が大嫌いなので)これは鬼への魔除けで、鬼は中に入りたくても入れないという絵。

今でも一部の地域では、節分の時にヒイラギの小枝に焼いたイワシの頭を刺した魔よけを鬼から家を守るために玄関に飾ってある。

そしてこの魔よけの名前を「ヤイカガシ」という

つまり動物にしろ鬼にしろ、悪いものを近寄らせないために臭いにおいをかがせていた。
「かがし」が後に「かかし」となった。

やがて「かかし」は、鳥や獣を田んぼに近寄らせないようにするものの総称となった。

「かかし」のスタイルが変化していく

こうして誕生した「かかし」と言う言葉は、室町時代になると動物を威嚇するような矢を持ったかかしが流行する。

明治大正時代辺りからは、着古した洋服をかかしに着せるという現在のかかしのスタイルへと変化した。

最近のかかしは田んぼを守るだけでなく芸術性を求めたアーティスティックなかかしもたくさんある。

かかしコレクション

先生がおすすめする「かかしコレクション」がいくつか紹介された。

◯北海道共和町 かかし祭り
「世直し雷神様」
(カミナリの音で鳥獣を追い払う素晴らしいかかし、だという)

◯奈良 高取かかし祭り
人間の姿をリアルに再現したかかし。
(夜出くわすとドキッとするそうだ)

◯茨城 里見かかし祭り
最近はチコちゃんやキョエちゃんのかかしも多い。
(非常にクオリティ高いかかしがあるそうだ)

※以上11月20日NHK「チコちゃんに叱られる!」より抜粋・参照

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